アフリカ

支配。お金。戦争。知るとスーダン人をもっとリスペクトできる。【スーダンが抱える過去②】

2020年2月25日

ここ最近は日本人にとって未知の国、スーダンの紹介をしています。前記事に引き続きスーダンの近代史についてお話をします。見られていない方は是非チェックしてください!

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全2回のシリーズで今回は第2弾です!

独裁者

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1989年から30年もの間大統領を務めたのがバシルという人物。米ワシントンポスト特集の「世界最悪の独裁者ランキング」では、2005年から3年連続第一位に選ばれた男。自分への権力集中のために他政党や労働組合を廃止し、報道を制限、自分の権力を正当化させる評議会をつくったりと、筋金入りの独裁者です。

北部と違い、南部スーダン(今の南スーダン共和国らへん)の宗教はキリスト教+土着信仰がメイン。数多くの民族がいて生活様式は様々。このような状況のスーダンを一つにまとめるのは大変だったため、バシールはスーダン全土でイスラム法を強要します。反抗する住民達がいるとその地域に空爆をしたりしたらしいです。当時はまだ南北スーダンは一つの国ですので、これはつまり大統領主導で自国内に爆弾を落としている、ということです。

湾岸戦争時にビンラディンなどのイスラム原理主義者を匿ったことや、ダルフールでの民族浄化も、このバシール元大統領が政権を握っている時に起きたことです(前回の記事で触れてますので是非ご覧ください)。

2009年、ついにオランダにある国際刑事裁判所はバシル大統領を国際指名手配します。現職国家元首で逮捕状が発付されるとは。。

天然資源

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1970年代にスーダン国内で油田が見つかります。アビエイ地方というところなんですが、これがなんと南北スーダンのちょうど境目。まだ南北は1つの国ではあったものの、当時からどんぱちやっていて、この境界線を越える人の移動は実質禁止みたいな感じだったよう。

この油田、若干南部寄りに位置していたんですが、当時の権力者ヌメーリが「これは北のもんだ」っつって無理やり境界線を変更。今も帰属を巡って緊張状態が続いてます。グーグルマップも線の書き方には困っているっぽいです。

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虐殺が起きたダルフール地方でも原油・ウラン等が採れるようです。資源というのは誰もがほしいもので、国家は何かと理由をつけて戦争をしますが、実際は資源の既得権益を見据えたやつだったってことはよくありますよね。主犯格のバシル政権やそれを支援した中国政府としても、利権掌握が当然視野にあったんだと思います。

話は少しそれますが、イラクとクウェートとの間にもルマイラ油田という油田があり、ここの利権争いが上で触れた湾岸戦争勃発の理由の一つになってます。

南北スーダン

現在スーダンは「スーダン」と「南スーダン」にわかれていますが、もとはスーダンというひとつの国でした。南北の対立の原因は沢山あると思われますが、僕が1番驚いたのは北はイスラム教メインで、南はキリスト教メインということです(多民族ゆえ土着宗教・アニミズム信者も多数)。現在の南スーダンの国旗にある星は「ベツレヘムの星」で、キリスト教の象徴を意味します。

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南スーダンの国旗

イギリスエジプト植民地時代から対立していた南北スーダンですが、バシルが大統領になってから更に関係は悪化し、内戦では250万人の犠牲者がでたようです。2011年に南スーダンはスーダンからの独立を果たしますが、この南北紛争が皆さんにスーダンへの怖いイメージを作る原因になってるんじゃないでしょうか?

まとめ

前記事と合わせて全2回に渡り、スーダンの近代史について個人的に大事だと思ったものを紹介しました。

魅力だらけの国ですが、とても残酷な歴史を歩んでいることは事実です。とゆうか、今だに現在進行形で起きていることもあります。これからスーダンに行く人は是非この辺りは頭に入れていくと良いかと思います。

世界最低の独裁者に支配にも負けず、自らの力で政府を崩壊させて民主化を実現しようとしているスーダン人にリスペクトを送りたいと思います。

(僕は歴史研究家とかではなく、ただの素人でただの旅人です。間違ってることがあれば教えて頂けると嬉しいです。できれば優しく。。)


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